会社分割も合併もともに包括承継によるＭ＆Ａ（企業再編）の手法です。

会社分割とは、会社を複数に分割して、新会社または既存の会社に引き継がせるものです。引き継ぐ会社は、分割を行う会社（又は株主）に株式を割り当てます。個々の資産を譲渡する事業譲渡と異なり、事業部門をまるごと切り離して移転させます。対価として株式を割り当てますので、資金が少ないベンチャー企業が大会社の一部門を買収することも可能です。

合併とは、2つ以上の会社を1つにすることです。合併により、売却企業のオーナーは買手企業の株式を保有することになります。企業規模が拡大し、経営の効率化や市場支配力においてもメリットがあります。

いずれも、組織や人事の統合となるので十分な時間（少なくとも数カ月）を要し、原則として債権者保護手続が必要とされていますので、税務メリットを十分に考慮した綿密なスキームが不可欠です。